はじめに
「将来やりたいことが見つからない」「どんな大学を選べばいいんだろう?」
中学・高校生の皆さん、そう悩んでいるのはあなただけではありません。多くの人が、この時期に自分の将来について具体的なイメージを持てずにいます。そして、「なんとなく」で大学を選び、社会に出てから「こんな仕事があったんだ!」「もっと早く知っていれば…」と後悔する大人は少なくありません。
特に、「大学で特定の学問を専門的に学んでいないと就けない職業」や、「若いうちから経験を積まないと後で追いつくのが難しい職業」の存在は、高校生の皆さんにはなかなか見えにくいものです。でも、安心してください。今、この情報を知ることができたあなたは、未来を変えるチャンスを手にしています。
この記事では、皆さんが将来の選択で後悔しないよう、多岐にわたる業界・業種から、これらの職業を具体的に解説していきます。自分の興味や適性を見つけるヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてください。
専門性と資格
特定の職業に就くためには、大学や大学院で専門分野を体系的に学ぶことが、法的に義務付けられていたり、事実上必須とされているケースが多くあります。
これらの職業は、その専門知識と倫理観が社会の安全や福祉、そして社会の基盤そのものに直結するため、厳格な教育課程と資格制度が設けられています。
医療・福祉系の専門職
人の命や健康、生活に直接関わるため、高度な専門知識と倫理観が求められます。ほとんどの場合、国家資格の取得が必須で、そのための受験資格として、国が指定する大学・学部での履修が求められます。
医師・歯科医師
どんな仕事?
医師は病気や怪我を診断し治療する、人々の命と健康を守る最前線のプロフェッショナルです。歯科医師は歯や口腔内の健康を守り、治療を行います。
なぜ大学が必須?
6年制の医学部・歯学部での専門教育と、その後実施される国家試験への合格が必須です。座学で膨大な医学知識を学ぶだけでなく、病院での臨床実習を通じて、患者さんとのコミュニケーション、診断、治療といった実践的なスキルを身につけます。
人の命を預かる責任の重さから、非常に高度で専門的な知識と判断力が求められ、そのための教育期間が長く設定されています。
将来性
高齢化社会において需要は安定しており、専門医(内科、外科、小児科など)としてさらに専門性を深める道や、研究者、医療行政に携わる道もあります。
看護師・保健師・助産師
どんな仕事?
看護師は医師の診察を補助し、患者さんのケア全般を担います。保健師は地域や職場の健康増進活動を、助産師は妊娠・出産をサポートする専門家です。
なぜ大学が必須?
看護大学や看護専門学校で学び、国家試験に合格する必要があります。特に保健師や助産師は、看護師資格に加えて、特定の養成課程の修了が求められることが多いです。これらの仕事も、患者さんの状態を正確に判断し、適切なケアを提供するための幅広い知識と技術が求められます。
将来性
医療現場だけでなく、訪問看護、企業、学校など活躍の場は多岐にわたり、需要は非常に高いです。専門看護師や認定看護師として特定の分野を極めることも可能です。
薬剤師
どんな仕事?
薬の専門家として、医師の処方箋に基づき薬を調剤したり、患者さんへの服薬指導を行ったりします。薬局だけでなく、病院や製薬会社、ドラッグストアなどでも活躍します。
なぜ大学が必須?
6年制の薬学部で学び、国家試験に合格することで資格を得られます。薬の種類、効果、副作用、相互作用など、薬に関する膨大な知識を習得し、患者さんに安全に薬を使ってもらうための重要な役割を担います。
将来性
医療の高度化に伴い、薬の専門家としての需要は安定しています。臨床開発や研究職、行政機関など、活躍の幅も広がっています。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
どんな仕事?
これらはリハビリテーション専門職です。理学療法士は身体の基本的な動作回復(歩く、立つなど)を、作業療法士は応用的な動作回復(食事、着替えなど)や精神機能の改善を、言語聴覚士はコミュニケーションや摂食・嚥下(飲み込み)機能の改善を支援します。
なぜ大学が必須?
指定の養成課程(大学や専門学校)を修了し、国家試験に合格する必要があります。例えば、理学療法士は骨格や筋肉、神経に関する深い知識と、患者さんの状態に合わせた運動療法や物理療法の手法を学びます。実践的なリハビリを提供するために、体系的な専門教育が不可欠です。
将来性
高齢化社会でリハビリテーションの需要は増加傾向にあります。病院だけでなく、介護施設や在宅医療、スポーツ分野など、活躍の場は拡大しています。
臨床心理士・公認心理師
どんな仕事?
心理的な問題や心の病気を抱える人に対し、カウンセリングや心理テストを通じて支援を行います。精神科病院、学校、児童相談所、企業などで活動します。
なぜ大学が必須?
心理学系の専門職の中でも、特に大学院での専門的な学びが強く求められるのがこの分野です。
臨床心理士
指定大学院の修了と資格試験の合格が必要です。
公認心理師
大学で心理学関連科目を履修し、大学院に進学するか、特定の施設での実務経験を積んだ上で国家試験に合格する必要があります。人の心の健康に深く関わるため、高度な専門性と倫理が問われます。
将来性
メンタルヘルスへの関心が高まる中、需要が増加しています。専門性を深めることで、独立開業や教育・研究分野での活躍も期待できます。
法律・会計系の専門職
社会の基盤を支える重要な分野であり、高度な専門知識と公正な判断力が求められます。
弁護士・検察官・裁判官(法曹三者)
どんな仕事?
弁護士は依頼人の権利を守るために法的なアドバイスや代理活動を行い、検察官は犯罪捜査と起訴を、裁判官は法に基づいて紛争を解決します。
なぜ大学が必須?
大学の法学部などで法律の基礎を学んだ後、法科大学院(ロースクール)の修了、または難関の予備試験合格を経て、司法試験に合格することが必須です。法律は非常に複雑で、その解釈や適用には深い専門知識と論理的思考力が求められます。社会の公平性と秩序維持に貢献する、非常に責任の重い仕事です。
将来性
AIの進化や社会の変化に合わせて、新たな法律問題に対応できる専門性が求められます。企業内弁護士や国際弁護士など、活躍の場は多様です。
公認会計士
どんな仕事?
企業の財務諸表が適切に作成されているかを監査し、投資家や株主が安心して企業を評価できるようにする「会計の番人」です。企業の経営コンサルティングを行うこともあります。
なぜ大学が必須?
公認会計士試験に合格する必要があり、この試験は非常に専門的な会計知識を問うものです。大学の商学部や経済学部などで会計学を専門的に学ぶことが、合格への最も効率的な道とされます。会計基準や税法など、複雑なルールを理解し、企業の経営状況を正確に判断する能力が求められます。
将来性
グローバル化やAI化が進む中で、単なる監査だけでなく、企業の持続可能な成長をサポートするコンサルティング業務へのニーズが高まっています。
税理士
どんな仕事?
企業や個人の税金に関する相談に応じ、税務書類の作成や税務申告を代行します。税務調査の対応なども行います。
なぜ大学が必須?
税理士試験に合格することで資格を得られます。税法に関する専門知識が不可欠であり、大学で法律や経済、経営、商学などを専攻することが、試験対策として有利とされます。毎年改正される税法に対応し続ける学習意欲も必要です。
将来性
企業のグローバル展開や事業承継など、税務の複雑化により専門家への需要は安定しています。ITを活用した効率的な税務支援も求められています。
建築・都市計画系の専門職
安全で機能的な社会空間を構築するために、専門的な知識と技術が不可欠です。
建築士(一級・二級)
どんな仕事?
住宅やビル、商業施設などの建物の設計を行い、工事が設計通りに進んでいるかを監理します。
なぜ大学が必須?
大学や専門学校で建築学を学び、実務経験を積んだ上で国家試験に合格する必要があります。特に、大規模な建築物を設計・監理できる一級建築士は、大学での深い学びが不可欠です。
建物の構造計算、法律(建築基準法など)、デザイン、材料力学など、非常に専門性の高い知識が求められます。人の命に関わる安全性を確保する上で、理論に基づいた設計能力が重要ですS。
将来性
老朽化したインフラの再整備や、環境に配慮した建築、デザイン性の高い建築など、常に新たなニーズがあります。国内外で活躍する道も開かれています。
測量士
どんな仕事?
土地の境界線や高低差を正確に測り、地図を作成したり、建設工事に必要なデータを提供したりします。
なぜ大学が必須?
測量士補の資格取得後、実務経験を積むか、指定の大学で測量に関する科目を修めることで測量士の国家試験受験資格が得られます。GIS(地理情報システム)などの最新技術を使いこなし、正確な測量を通じて、社会基盤整備の根幹を支える専門家です。
将来性
ドローンやAIを活用した測量技術の進化により、より効率的で精度の高い測量が求められます。建設、都市開発、災害対策など、幅広い分野で活躍します。
教育・研究系の専門職
次世代の育成や人類の知識の発展に寄与する分野です。
大学教員・研究者
どんな仕事?
大学で学生を指導し、自らも最先端の研究を行い、新たな知識や技術を生み出します。
なぜ大学が必須?
大学卒業後、大学院で専門分野を深く研究し、博士号を取得することが一般的です。その後、ポスドクなどの研究員として実績を積み、大学の教員(助教、講師、准教授、教授)となる道が開かれます。
特定の専門分野における世界最先端の知識が求められ、研究成果を論文として発表し、学会で発表するなど、地道な努力と探求心が不可欠です。
将来性
特定の専門分野を極め、社会課題の解決や産業の発展に貢献できます。国際的な共同研究など、活躍の場は世界に広がっています。
小・中・高校教員
どんな仕事?
児童・生徒に教科を教え、生活指導を行い、健全な成長をサポートします。
なぜ大学が必須?
教員免許状の取得が必須で、これは大学の教育学部などで所定の教職課程を履修することで得られます。担当教科の専門知識はもちろん、教育学、心理学、児童生徒の成長段階に合わせた指導法など幅広い知識が求められます。教育実習を通じて実践的な指導力を養います。
将来性
少子化で教員の数は減少傾向にありますが、一人ひとりの子どもに寄り添う教育や、ICT教育の推進など、教員の役割は多様化しています。
20代後半以降では「就くのが難しい」とされる職業
これらの職業は、法的な資格が必須ではないケースもありますが、若いうちからの実務経験やキャリアパスの構築が非常に重要となるため、20代後半以降に未経験から飛び込むのが難しい傾向にあります。
身体能力・感覚が重要な職業:身体のピークと訓練の積み重ね
若いうちからのトレーニングや、身体的なピークがキャリアに大きく影響するため、年齢が上がると参入が難しくなります。
プロスポーツ選手・アスリート
どんな仕事?
特定のスポーツで生計を立て、国内外の大会で活躍します。
なぜ難しい?
幼少期や学生時代からの専門的なトレーニングと才能が不可欠です。一般的に20代前半~半ばが身体能力のピークとされるため、それ以降の未経験からの挑戦は極めて困難です。高い身体能力だけでなく、戦略的思考力や精神力も求められます。
将来性
現役引退後は指導者、解説者、スポーツビジネスなど、スポーツ界で経験を活かす道があります。
パイロット(航空機操縦士)
どんな仕事?
旅客機や貨物機などを操縦し、人や物を安全に目的地まで運びます。
なぜ難しい?
視力や身体能力に関する厳しい基準があり、訓練期間も長いため、航空大学校への入学は20代前半までが一般的です。航空会社による養成コースも年齢制限を設けている場合が多いです。何百人もの命を預かる責任の重さから、高い判断力、冷静さ、そして正確な操作技術が求められます。
将来性
航空需要の変動はあるものの、専門性の高さから需要は安定しています。訓練を積むことで、より大型の機体の操縦も可能になります。
警察官・消防士・自衛官
どんな仕事?
警察官は地域の安全を守り、事件・事故に対応します。消防士は火災や災害から人々を救助し、自衛官は国の防衛や災害派遣を行います。
なぜ難しい?
いずれも体力基準が設けられており、採用試験に年齢制限があります(例えば、警察官は30歳未満など)。職務の性質上、若くして訓練を受け、体力を維持していくことが求められます。緊急時に冷静に対応する判断力や、チームワークも非常に重要です。
将来性
経験を積むことで昇進し、指揮官や専門部隊の一員となる道があります。社会貢献性が高く、安定した職業です。
ダンサー・バレエダンサー
どんな仕事?
舞台やイベントで、身体表現を通じて観客を魅了します。
なぜ難しい?
幼少期からの訓練が必須であり、身体表現のピークが比較的若いため、未経験から20代後半でプロを目指すのは非常に難しいでしょう。柔軟性、筋力、表現力、そしてリズム感といった要素を若いうちから徹底的に磨き上げる必要があります。
将来性
振付師、ダンス講師、舞台演出など、経験を活かせる道は様々です。
徒弟制度や下積み期間が長い職業
技術や感覚を習得するために長い年月を要し、若いうちからの修行が一般的です。
寿司職人・和食料理人など伝統的な料理人
どんな仕事?
高度な技術と知識を活かし、お客様に最高品質の料理を提供します。
なぜ難しい?
何年もかけて基礎から修行を積む徒弟制度的な側面が強く、「飯炊き3年、握り8年」という言葉があるように、技術だけでなく「盗む」という姿勢も重要視されます。包丁の扱い方、食材の目利き、味付けのバランスなど、五感を研ぎ澄ます長い下積み期間を経て一人前になります。若いうちから飛び込み、経験を重ねることが重要です。
将来性
独立開業して自分の店を持つ、海外で日本食文化を広めるなど、キャリアパスは多様です。
伝統工芸職人
どんな仕事?
陶芸、漆芸、染物、金工、木工など、日本の伝統的な技術や文化を受け継ぎ、作品を生み出します。
なぜ難しい?
熟練の技を習得するまでに非常に長い年月を要します。師匠に弟子入りし、若いうちから五感を研ぎ澄まし、手先の器用さや素材への深い理解を培う修行が必要です。量産品とは異なり、一つ一つ手作業で作り上げるため、根気と集中力が求められます。
将来性
伝統技術を守りつつ、現代の生活に合わせた新しい作品作りや、海外への展開など、新たな可能性を探る道があります。
大工・宮大工
どんな仕事?
木材を加工し、建物の骨組みを組み立てたり、内装を仕上げたりします。特に宮大工は、神社仏閣など伝統建築の建設や修復を行います。
なぜ難しい?
建築士とは異なり、現場で身体を動かし、木材の特性を見極める感覚や、伝統的な建築技術を習得するために長い実務経験が必要です。木材の反りや歪みを見抜く目、寸分の狂いもない加工技術など、経験によって培われる職人技が求められます。こちらも若いうちからの修行が一般的です。
将来性
経験を積むことで独立したり、後進の育成に携わったりする道があります。伝統的な技術の継承者として、社会的に高い評価を得られる職業です。
キャリアパスが早期に固定される傾向がある職業
新卒採用や第二新卒採用が中心で、一定の年齢を超えると未経験からの転職が難しくなる傾向があります。
総合職(大手企業)
どんな仕事?
将来の幹部候補として、会社の様々な部署を経験しながら幅広い業務をこなします。企画、営業、人事、経理など、ジョブローテーションを通じて経営に必要なスキルを身につけます。
なぜ難しい?
多くの大手企業では、新卒一括採用が主流であり、特定の専門分野に特化せず、将来の幹部候補として様々な部署を経験させながら育成します。このキャリアパスに乗るためには、大学を卒業したばかりの若年層での入社が一般的です。
20代後半以降の未経験者採用は非常にハードルが高くなります。企業文化への適応や、長期的なキャリア形成を前提としているため、若さが重視されます。
将来性
企業の中核を担う存在として、経営層への道が開かれています。幅広い経験を通じて、高いビジネススキルを身につけることができます。
投資銀行・コンサルタント(未経験の場合)
どんな仕事?
投資銀行は企業の資金調達やM&A(企業の合併・買収)などを、コンサルタントは企業の経営課題を解決するための戦略立案や実行支援を行います。
なぜ難しい?
非常に激務である一方で、若いうちから高度な分析力や問題解決能力を徹底的に鍛え上げるため、多くのファームでは**新卒や第二新卒(社会人経験2〜3年程度まで)**での採用が中心です。論理的思考力、コミュニケーション能力、そして膨大な情報処理能力が求められ、若いうちからそれらを習得する環境が用意されています。
将来性
短期間で圧倒的な成長を遂げることができ、その後は事業会社での要職、独立、ベンチャー企業への参画など、多様なキャリアパスが開かれます。
外交官
どんな仕事?
日本の国益を守るため、国際社会で交渉を行ったり、海外の情報を収集・分析したりします。
なぜ難しい?
国家公務員総合職試験の中でも特に難関であり、採用されると若いうちから専門的な研修を受け、海外勤務を経験しながらキャリアを築いていきます。年齢制限も厳しく設定されています。語学力はもちろんのこと、国際情勢に関する深い知識、高い交渉力、そして異文化理解力が求められます。
将来性
日本の顔として国際社会で活躍し、国際貢献にも携われます。国際機関での勤務や、大使としてのキャリアも視野に入ります。
今、できること
「あの時知っていれば…」という思いは、決してネガティブな感情だけではありません。それは、あなたが今、自身のキャリアや学びについて真剣に向き合っている証拠です。
高校生・大学生が今からできること
とにかく「調べる」「話を聞く」
まずは、この記事で紹介した以外にも、世の中にどんな仕事があるのかを積極的に調べてみましょう。
インターネットを活用する
職業情報サイト、企業の採用ページ、ニュース記事などを活用し、様々な業界や職種について調べてみてください。動画サイトで「仕事密着ドキュメンタリー」などを見るのも良いでしょう。
学校の先生やキャリアセンターに相談する
進路相談のプロである学校の先生や、大学のキャリアセンターは、豊富な情報と経験を持っています。具体的な相談がなくても、まずは話を聞いてみるだけでもOKです。
OB・OG訪問や社会人へのインタビューを試みる
実際に働いている大学の先輩やOB・OG、あるいは親戚や知人で興味のある仕事をしている人に、直接話を聞いてみましょう。リアルな声は、ネットの情報だけでは得られない深い学びを与えてくれます。
職業体験やインターンシップに参加する
可能であれば、実際に職場を体験できる機会があれば積極的に参加してみてください。短期間でも、職場の雰囲気や業務内容を肌で感じることで、ミスマッチを防ぎ、より具体的なキャリアイメージを持つことができます。
ニュースやドキュメンタリーを幅広く見る
普段見ないジャンルのテレビ番組やドキュメンタリー、新聞記事などに目を向けてみましょう。思わぬ分野で、将来の興味のきっかけとなる職業に出会うこともあります。
興味のアンテナを張り巡らせる
「これ、ちょっと気になるな」という小さな興味を大切にしてください。ゲームが好きならゲーム業界について調べてみる、アニメが好きならアニメ制作の裏側を調べてみる、といったことからでOKです。なぜ興味を持ったのかを深掘りしていくと、そこから意外な職業に繋がることもあります。
幅広い分野の基礎を学ぶ
大学で特定の分野を専攻することが必須の職業も、基礎学力が重要です。高校時代は、苦手な科目も「将来の選択肢を広げる」という視点で取り組んでみましょう。特に、国語力(読解力、表現力)や論理的思考力は、どの分野に進んでも役立つ普遍的なスキルです。数学や理科の知識も、思わぬところで役立つことがあります。
自分の「好き」や「得意」を深掘りする
将来やりたいことが見つからない人は、「何ができないか」ではなく、「何に時間を使っている時が楽しいか」「どんなことをしている時に夢中になれるか」を考えてみましょう。趣味や部活動、ボランティア活動など、どんな小さなことでも構いません。それが、将来の仕事に繋がるヒントになるかもしれません。
失敗を恐れず、様々な経験を積む
アルバイト、部活動、文化祭の準備、地域のボランティアなど、積極的に様々な経験をしてみてください。その中で、**「自分は何が得意で、何が苦手か」「どんな時に喜びを感じるか」「どんな人と働くのが好きか」**といった自己理解が深まります。失敗も大切な学びの機会です。
大学生が今からできること
専門分野を深掘りする
もし、あなたが大学で特定の専門分野を学んでいるのであれば、その分野を徹底的に深掘りしてください。授業だけでなく、ゼミや研究室に積極的に参加し、疑問に思ったことはどんどん質問しましょう。その分野の最先端を走る教授や研究者の話は、キャリアを考える上で非常に貴重な情報源です。
インターンシップに挑戦する
大学在学中に、興味のある業界や企業でのインターンシップに積極的に参加しましょう。短期間でも、実際の職場の雰囲気や業務内容を肌で感じることができます。これにより、**「イメージと違った」「意外と面白かった」**など、具体的な気づきが得られ、将来のミスマッチを防ぐことができます。
キャリアセンターを最大限活用する
多くの大学には「キャリアセンター」があり、就職に関する専門的なサポートを提供しています。キャリア相談、ES(エントリーシート)添削、面接練習、企業情報提供など、利用できるサービスは多岐にわたります。積極的に活用し、自身のキャリアプランを具体化していきましょう。
資格取得や語学力向上に努める
大学の専門分野に関わらず、将来の選択肢を広げる資格や語学力は大きな武器になります。例えば、TOEICスコアの向上、ITパスポートや簿記などの基礎的な資格取得は、多くの業界で評価されます。プログラミングなどのスキルを身につけるのも良いでしょう。
多様な人々と交流する
大学には、様々な背景を持つ学生や教員、そして学外の大人たちがいます。積極的に交流し、多様な価値観やキャリア観に触れることで、自身の視野が広がります。サークル活動やボランティア、イベント参加などを通じて、多くの人と出会ってみましょう。
まとめ
高校生・大学生の皆さんにとって、将来の進路選択は人生の中でも大きな決断の一つです。完璧な答えを最初から見つける必要はありません。大切なのは、**「世の中にはどんな選択肢があるのかを知ろうとする意欲」と、「その知識を元に行動してみる勇気」**です。
この記事で紹介した職業は、「大学での学びが必須」であったり、「若いうちからが有利」であったりするものです。これらは一見するとハードルが高く感じるかもしれませんが、それだけ専門性や経験が求められる、社会に貢献し、やりがいのある仕事でもあります。
もし今、明確な目標がなくても、今日から少しずつでいいので、「知る」という行動を始めてみてください。それが、あなたの未来を豊かにする第一歩となるはずです。
参考文献
- 厚生労働省. 『職業情報提供サイト(job tag)』. (https://shokugyo.mhlw.go.jp/)
- 文部科学省. 『大学設置基準』等、教育関連法令.