【モータウンサウンド】時代背景や魅力を解説。

曲・ジャンル解説
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はじめに

1960年代アメリカの音楽シーンに革命を起こした「モータウンサウンド」

ソウルミュージックを基盤に、洗練されたポップなメロディー、ダンサブルなリズム、華やかなアレンジは、人種の壁を超えて世界中の人々を魅了しました。

本記事では、モータウンサウンドの誕生から黄金時代、そして現代への影響まで、その魅力を徹底的に解剖します。

代表的なアーティストや楽曲はもちろん、時代背景や音楽的な特徴、ファッションやダンスとの関係など、多角的な視点からモータウンサウンドの魅力を深掘りしていきます。

モータウンサウンドとは?

モータウンサウンドとは、1960年代にアメリカ・ミシガン州デトロイトのレコードレーベル「モータウン・レコード」が生み出した音楽スタイルです。

創設者のベリー・ゴーディJr.は、「黒人音楽を白人層にも受け入れられるように」という明確なビジョンのもと、才能あるアーティストたちを集め、独自の音楽制作システムを構築しました。

ベリー・ゴーディJr.

ベリー・ゴーディJr.は、アメリカの音楽プロデューサー、実業家であり、モータウン・レコードの創設者として非常に重要な人物です。

1959年デトロイトでモータウン・レコードを設立し、数々のヒット曲を生み出しました。

彼の最大の功績は、ソウルミュージックを基盤に、ポップで洗練された「モータウンサウンド」を確立し、黒人音楽を白人層にも広めたことです。

当時のアメリカでは、人種差別が根強く残っていましたが、彼の音楽は人種の壁を超えて多くの人々に受け入れられました。

また、ベリー・ゴーディJr.は、ザ・スプリームス、ザ・テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、マイケル・ジャクソンとジャクソン5など、数々のスターアーティストを育成しました。

彼は、アーティストの才能を見抜き、彼らの個性を最大限に引き出すプロデュース能力に長けていました。

さらに、音楽業界における黒人アーティストの地位向上に大きく貢献しました。

彼は、黒人アーティストが音楽業界で成功するための道を開き、彼らの活躍を後押ししました。

ベリー・ゴーディJr.は、音楽業界における革新的な人物であり、彼の功績は現代の音楽シーンにも大きな影響を与えています。

モータウンサウンド誕生の背景

1950年代のアメリカは、公民権運動が活発化し、人種差別に対する意識が高まりつつありました。

しかし、音楽業界では依然として人種による壁が存在し、黒人アーティストが白人層に受け入れられることは容易ではありませんでした。

そんな中、ベリー・ゴーディJr.は、黒人音楽の持つ魅力を最大限に引き出し、白人層にもアピールできる音楽を追求しました。

彼が目指したのは、単なる模倣ではなく、黒人音楽のルーツを大切にしながらも、洗練されたポップな要素を取り入れた、全く新しい音楽でした。

モータウンサウンドの黄金時代

1961年ザ・ミラクルズの「ショップ・アラウンド」初の全米No.1ヒットを記録し、モータウンサウンドは一気に注目を集めました。

その後、ザ・スプリームス、ザ・テンプテーションズ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイなど、数々のスターアーティストが誕生し、モータウン・レコードは1960年代を代表する音楽レーベルへと成長しました。

モータウンサウンドは、その音楽性だけでなく、ファッションやダンスにおいても時代をリードしました。

ザ・スプリームスの華やかなドレスやヘアスタイル、ザ・テンプテーションズの洗練されたダンスは、若者たちの憧れの的となり、モータウンサウンドは単なる音楽の枠を超え、時代の象徴となったのです。

1972年、モータウン・レコードは拠点をロサンゼルスに移転し、新たな時代を迎えました。

マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」やライオネル・リッチーの「オールナイト・ロング」など、より多様な音楽性を追求した作品が生まれ、モータウンサウンドはさらなる進化を遂げました。

モータウンサウンドの音楽的特徴

モータウンサウンドは、以下の要素が融合した独特のサウンドが特徴です。

ソウルミュージックを基盤としたポップなメロディー

黒人音楽のルーツであるブルースやゴスペルを基盤に、白人層にも親しみやすいポップなメロディーを融合させました。

ダンサブルで洗練されたリズム

ジェームス・ジャマーソンによる革新的なベースラインや、アール・ヴァン・ダイク率いるファンク・ブラザーズの卓越した演奏技術により、ダンサブルで洗練されたリズムを生み出しました。

華やかなアレンジ

アレンジャーのミッキー・スティーブンソンやノーマン・ホイットフィールドらは、ストリングスやホーンセクションを効果的に使用し、華やかで壮大なサウンドを構築しました。

コーラスを重視した厚みのあるサウンド

ザ・スプリームスやザ・テンプテーションズなど、コーラスグループの活躍により、厚みのあるサウンドを実現しました。

親しみやすく共感を呼ぶ歌詞

ラブソングや人生の喜び、悲しみなどをテーマにした歌詞は、聴く人の心に深く響きました。

モータウンサウンドの代表的なアーティスト

ザ・スプリームス

ダイアナ・ロスを中心とした女性ボーカルグループ

「ベイビー・ラブ」「ストップ・イン・ザ・ネーム・オブ・ラブ」など、数々のヒット曲を放ち、ガールポップの象徴となりました。

ザ・テンプテーションズ

エディ・ケンドリックス、デヴィッド・ラフィンらによる男性ボーカルグループ

「マイ・ガール」「パパ・ワズ・ア・ローリン・ストーン」など、ソウルフルなハーモニーと洗練されたダンスで観客を魅了しました。

スティーヴィー・ワンダー

幼少期からモータウンに所属し、天才的な音楽センスを発揮。

「迷信」「スーパー・スティション」「キー・オブ・ライフ」など、音楽史に残る名盤を数多く残しました。

マーヴィン・ゲイ

ソウルミュージックの枠を超え、社会的なメッセージ性の強い作品も発表。

「ホワッツ・ゴーイン・オン」「レッツ・ゲット・イット・オン」など、時代を超えて愛される名盤をリリースしました。

マイケル・ジャクソンとジャクソン5

マイケル・ジャクソンが幼少期に活躍したグループです。

「帰ってほしいあの娘は」などの曲で人気を博し、マイケル・ジャクソンの才能を世界に知らしめました。

モータウンサウンドが与えた影響

モータウンサウンドは、その後の音楽シーンに多大な影響を与えました。

ソウルミュージックの普及

黒人音楽を白人層にも広め、ソウルミュージックをポピュラー音楽の主要なジャンルへと押し上げました。

ポップミュージックの進化

洗練されたサウンドプロダクションやアレンジは、ポップミュージックの可能性を広げました。

多様な音楽ジャンルの誕生

ファンク、ディスコ、R&Bなど、モータウンサウンドから派生した音楽ジャンルが数多く生まれました。

音楽を通じた人種差別の克服

モータウンサウンドは、音楽の力で人種間の壁を打ち破り、社会に大きな影響を与えました。

現代におけるモータウンサウンド

モータウンサウンドの遺産は、現代の音楽シーンにも深く根付いています。

ビヨンセ、ブルーノ・マーズ、アデルなど、多くのアーティストがモータウンサウンドから影響を受け、その音楽性を継承しています。

また、モータウンサウンドの楽曲は、映画やドラマ、CMなど、様々なメディアで使用され、世代を超えて愛されています。

まとめ

モータウンサウンドは、単なる音楽のムーブメントではなく、社会現象であり、文化的な革命でした。

その音楽は、時代を超えて私たちの心を揺さぶり、音楽の持つ力を教えてくれます。

ぜひ、モータウンサウンドの名盤に触れ、その魅力を体感してください。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。
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