【音大志望者必見】グランドピアノは必要?アップライトと比較!

楽器解説
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はじめに

「今のピアノで十分だろうか?」「グランドピアノに買い替えるべきか?」

ピアノを本格的に学ぶ過程で、多くの演奏者が一度はそう自問します。特に、より高度な表現技術を習得しようとする時、あるいは将来コンクールや音楽大学への進学を考えている時、この決断は避けて通れないテーマとなります。

グランドピアノは、単に大きな楽器というだけでなく、演奏者に新たな可能性をもたらす存在です。しかし、そこには経済的、物理的な制約も伴います。感情的にならず、冷静に双方のメリット・デメリットを比較することが、後悔のない選択に繋がります。

アップライトでも音大には行けます

私は音楽高校と音楽大学を卒業していますが、小6の時に
アップライト→グランドに買い替えていただきました(感謝)

自分が頼んだわけではないけど、一生大事にしますの気持ち…

将来、ピアノを指導することも視野に入れているのであれば、アップライトよりグランドピアノで指導出来た方が、生徒さんの満足度も高く人が集まりやすくなります。

構造とタッチの違いを解説

アップライトとグランドは、同じ「ピアノ」という名前でも、その構造と鍵盤のタッチ、音の響きにおいて全くの別物です。この違いを理解することが、買い替えの判断において最も重要です。

アクションの違い

アップライトとグランドの決定的な違いは、ハンマーが弦を叩く仕組み、「アクション」にあります。

アップライトピアノでは、鍵盤を押し、ハンマーが垂直に動いて弦を叩きます。ハンマーが重力に逆らって動くため、鍵盤が完全に上がりきらないと次の音を鳴らせません。このため、速い連打が難しく、表現の幅が制限されます。

一方、グランドピアノでは、鍵盤を押し、ハンマーが水平に動いて弦を叩きます。ハンマーの戻りが重力によって助けられるため、鍵盤が完全に上がりきるのを待たずに次の音を鳴らせます。これにより、驚くほど速い連打や繊細な表現が可能になります。この違いは、特に高度な技術を要する楽曲を演奏する際に顕著に表れます。

音の響きと構造

グランドピアノのもう一つの大きな魅力は、その豊かな音の響きです。

弦の長さと響板 グランドピアノは、アップライトよりも弦が長く、響板の面積が広いため、より深く、力強い音が出せます。低音域の重厚感や、高音域のきらびやかな響きは、グランドならではのものです。

音の広がり グランドピアノの蓋を開けると、音が四方八方に広がります。音の振動が空気中に豊かに拡散し、演奏者だけでなく、聴く人にも感動を与えます。これは、蓋のないアップライトでは決して味わえない体験です。

私の経験では…

買い替えた時には、そんなに違いを感じなかった(失礼)けど
グランドに慣れてからアップライトを弾いてみると全然違うなと。

そこでようやく気づきました。
こんなに違うものなのか!!と(遅い)

判断に欠かせない3つの視点

グランドピアノへの買い替えを検討する際には、演奏レベルや目標だけでなく、現実的な制約も考慮する必要があります。ここでは特に重要な3つの視点について解説します。

費用

グランドピアノは、新品でヤマハのC3クラス(奥行き186cm)を想定した場合、本体価格だけで250万円以上となります。中古市場では状態によって価格に幅がありますが、それでも数百万円の買い物となることがほとんどです。

さらに、近年は原材料費の高騰や円安などにより、ピアノの価格も上昇傾向にあります。これは、数年前に比べて購入のハードルが上がっていることを意味します。

設置場所

アップライトピアノは壁際に設置できるため、省スペースですが、グランドピアノは水平に設置するため広いスペースが必要です。一般的な6畳の部屋にヤマハC3クラスを置く場合、他の家具を置くスペースはあまりなく、窮屈に感じることが多いでしょう。

グランドピアノを快適に設置するには、8畳以上の広さが望ましいとされています。また、階下への振動や音の問題も考慮に入れる必要があります。

私の音大時代は

8畳1Kでした。ベッドも置いてました。
グランドは背が高いので圧迫感があり、

単純に大きさでシミュレーションした時より狭く感じます。

音大4年間はスタジオに住んでる気分だった…

実家も広くなかったので、グランドがなくなって家がだいぶ広くなったと言われました(家族ごめん)(ありがとう)

練習環境

もちろん、アップライトピアノで音大に進学し、素晴らしい演奏家になった人は数多く存在します。アップライトピアノでも、日々の練習で正しいタッチや技術を身につけることは可能です。しかし、より高度な表現力を追求する上で、グランドピアノの鍵盤の特性を理解しておくことは非常に重要です。

特に、繊細なニュアンスや速い連打の練習は、グランドピアノでなければ習得が難しい場合があります。

買い替えが難しい場合

グランドピアノは高価で、設置場所も取るため、誰もが簡単に買い替えられるわけではありません。もしすぐに買い替えが難しい場合は、以下の方法を検討してみてください。

ピアノのレンタルサービス

短期間だけグランドピアノを借りたい場合や、購入前に試したい場合に便利な選択肢です。ただし、グランドピアノのレンタルはアップライトに比べて提供している業者が少なく、希望する機種や状態のものが常に出回っているわけではないため、探すのに苦労することがあります。

また、音大の4年間など長期にわたって借りる場合、トータルの費用が新品のアップライトを購入する金額に近づくことも考慮に入れる必要があります。

練習室の利用

音楽スタジオや楽器店の練習室を借りて、定期的にグランドピアノを弾く習慣をつけるのも良い方法です。音楽高校や大学に進学すれば、学校の練習室を借りられることが多いです。これらの練習室は、無料の場合もあれば、時間単位で利用料が発生する場合もあり、学校によって異なります。

自宅での練習はアップライトで行い、グランドピアノでの練習を補完的に行うことで、両方の楽器の特性を理解した上で技術を磨くことができます。

私が行っていた学校は…

高校は公立だったので練習室が無料でした(ありがたい)

授業が終わったら16時〜19時半くらいまで、毎日学校で練習してました。

平日はほとんど自宅のピアノは触らず…
夏休みは授業がなくても制服着て学校行ってました(片道2時間)
(8時間くらい弾きこもり)

大学は有料だったので、ほとんど使った事がないです(無料にしてほしい)

大学から自転車で5分のところに1人暮らしだったので、
家で弾いてました。

なぜか管弦打楽器の人は1日1コマなら、無料で部屋を借りられるシステムみたいなのがあり、羨ましかった。。

グランドピアノは「資産」になる?

グランドピアノは、その高額さから一生の買い物と思われがちですが、将来的に売却して現金化できる可能性も視野に入れることができます。これは、アップライトピアノでは得られにくい、グランドピアノならではの特徴です。

グランドピアノの中古市場の動向

近年、グランドピアノの国内生産台数は減少傾向にあり、特に状態の良い中古グランドピアノは市場に出回る数が限られています。その一方で、本格的にピアノを始めたいという需要は依然として高く、中古グランドピアノの価値が維持されやすい傾向にあります。そのため、「ピアノを売りませんか?」といった買取業者からの問い合わせが頻繁に来ることも珍しくありません。

売却の際の注意点

しかし、全てのグランドピアノが高く売れるわけではありません。ピアノの状態が最も重要になります。定期的な調律やメンテナンスを怠らず、丁寧に使い続けることが、将来の売却時に価値を保つための鍵となります。例えば、湿気による内部の劣化や、鍵盤の戻りが悪いといった問題がある場合、高額での売却は難しくなります。

購入前の最終確認

グランドピアノは、あなたの音楽人生にとっての大きな投資です。後悔のない決断をするために、購入を検討する際は、以下のチェックリストを活用して冷静に判断しましょう。

費用・予算

  • 本体価格の予算は確保できているか?
  • 運搬費用、設置費用、調律費用は含まれているか?
  • 万が一の修理費用や、定期的なメンテナンス費用は想定できているか?

設置場所・環境

  • 設置予定の部屋の広さは十分か?
  • 床の補強や、防音対策は必要か?
  • 搬入経路は確保できるか?

ピアノ本体

  • 実際に試弾を行い、タッチや音色に納得できたか?
  • 中古の場合、過去のメンテナンス履歴や状態は確認できているか?
  • アフターサービスや保証内容は充実しているか?

まとめ

グランドピアノは、素晴らしい表現力を備えた楽器であり、多くの演奏家が憧れる存在です。

しかし、アップライトピアノでも音大に行けないわけではありませんし、練習の工夫次第で技術は向上します。「なぜグランドピアノが必要なのか?」を自問し、経済的な負担、設置場所の確保、そして自身の演奏目標とを照らし合わせることが大切です。

グランドピアノへの買い替えは、あなたの音楽人生にとっての大きな投資です。焦らず、アップライトとグランド両方のメリット・デメリットを冷静に比較し、あなたの最善の道を見つけてください。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。そのほか興味があることを調べてまとめたりしています。
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