【メキシコ音楽の歴史】魅力や特徴を元音大生が解説。

曲・ジャンル解説
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はじめに

メキシコ音楽は、その歴史の中で、スペイン、先住民、アフリカの文化が複雑に絡み合い、独自の音楽文化を築き上げてきました。

マリアチの華やかなサウンドから、伝統的なフォルクローレまで、その多様性は世界中の人々を魅了しています。

本記事では、メキシコ音楽の歴史を、そのルーツから現代までの変遷を辿りながら、より深く掘り下げていきます。

メキシコ音楽のルーツ:多様な文化の融合

メキシコ音楽は、スペインの植民地時代、先住民の音楽、そしてアフリカから来た奴隷たちの音楽が複雑に絡み合って誕生しました。

スペイン音楽の影響

16世紀スペインによる征服後、メキシコはスペインの植民地となりました。

この間、スペインの音楽が導入され、メキシコ音楽の基礎を築きました。

ギター、バイオリンなどの楽器、そしてワルツやポルカなどのダンス音楽が、メキシコ音楽に大きな影響を与えました。

特に、宗教音楽は、教会を中心に広まり、メキシコ音楽の初期のレパートリーを形成しました。

先住民の音楽

アステカ文明をはじめとする先住民の音楽は、自然崇拝や神話に基づいた独特の旋律やリズムを持っていました。

フルートやドラムなどの楽器が使われ、儀式や祭りの際に演奏されていました。

これらの要素は、メキシコのフォルクローレ音楽に深く根付いており、特に中南部の州で見られる音楽にその影響が顕著です。

アフリカ音楽の影響

アフリカから連れてこられた奴隷たちは、自分たちの故郷の音楽をメキシコに持ち込みました。

リズム感あふれるパーカッション、コール&レスポンスといったアフリカ音楽の特徴は、メキシコ音楽に熱狂的な要素をもたらしました。

特に、ベラクルス州のソン・ハローチョなど、アフリカのリズムが強く感じられる音楽ジャンルが生まれました。

メキシコ音楽の主要なジャンル

メキシコ音楽は、地域や歴史的背景によって多様なジャンルが存在しますが、代表的なものをいくつか紹介します。

マリアチ

マリアチは、メキシコを代表する音楽で、華やかな衣装と楽器隊が特徴です。

トランペット、バイオリン、ギターなどが奏でるメロディーは、メキシコの祝祭の場を盛り上げます。

マリアチは、もともとはハリスコ州の農村で生まれた音楽ですが、次第に全国に広がり、メキシコの象徴となりました。

ランチェロス

ランチェロスは、メキシコの田舎で歌われてきた伝統的な音楽です。

ギターやバイオリン、ハープなどが使用され、メキシコの広大な大地を連想させるようなゆったりとしたメロディーが特徴です。

ランチェロスは、メキシコの自然や生活を歌った歌詞が多く、素朴な美しさを持っています。

ソン・ハローチョ

ソン・ハローチョは、メキシコ湾沿岸ベラクルス州発祥の伝統音楽です。

アフリカのリズムとスペインのメロディーが融合し、労働歌として歌われてきました。

ソン・ハローチョは、メキシコで最も古い音楽ジャンルの一つであり、その歴史は300年以上にも及びます。

コリード

コリードは、メキシコ革命前後から発展した音楽ジャンルです。

社会的な出来事や恋愛などを題材にした歌詞が特徴で、ギターやアコーディオンなどが使用されます。

コリードは、メキシコの歴史や社会を反映した音楽として、人々に愛されています。

メキシコ音楽の歴史的発展

メキシコ音楽は、時代とともに変化を遂げてきました。

植民地時代

スペインの植民地時代には、教会音楽やスペインの舞曲がメキシコに広まりました。

これらの音楽は、メキシコ音楽の基礎となり、後の音楽ジャンルに大きな影響を与えました。

メキシコ革命期

メキシコ革命期には、国民の意識の高まりとともに、愛国的な歌や革命歌が生まれました。

これらの歌は、人々に勇気を与え、革命を成功に導く上で重要な役割を果たしました。

20世紀以降

20世紀以降は、ラジオや映画の発展とともに、メキシコ音楽は全国的に広まりました。

マリアチやランチェロスは、メキシコを代表する音楽として世界的に知られるようになりました。

また、北部の国境地帯では、アメリカのカントリー音楽の影響を受けたノルテーニョ音楽が発展しました。

メキシコ音楽の特徴

メキシコ音楽は、以下の特徴を持っています。

  • 多様性: 地域によって様々な音楽が存在し、多様性に富んでいる。

  • 情熱: メキシコ人の情熱的な性格が音楽に表れている。

  • リズム感: アフリカ音楽の影響を受け、リズム感が強い。

  • メロディー: スペイン音楽の影響を受け、美しいメロディーが特徴。

  • 社会性: 社会的な出来事や感情を歌った曲が数多く存在する。

メキシコ音楽の社会文化的な役割

メキシコ音楽は、メキシコの社会文化に深く根付いています。

  • 国民のアイデンティティ: メキシコ人にとって、音楽は国民のアイデンティティを形成する重要な要素です。

  • 社会運動: 音楽は、社会運動や政治的なメッセージを伝える手段としても利用されてきました。

  • 観光資源: メキシコ音楽は、観光客を惹きつける重要な観光資源となっています。

まとめ

メキシコ音楽は、スペイン、先住民、アフリカの文化が融合し、独自の進化を遂げてきた、世界でも類を見ない豊かな音楽です。

マリアチ、ランチェロス、ソン・ハローチョなど、数多くの魅力的なジャンルを生み出し、世界中の音楽ファンを魅了してきました。

メキシコ音楽は、これからもその多様性を保ちながら、発展を続けていくでしょう。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。
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