【インド音階】歴史と特徴を解説。

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はじめに

神秘的で美しい旋律が特徴のインド音楽

その根底を支えるのが、独自の体系を持つインド音階です。

この記事では、インド音階の長い歴史、北インドと南インドの2大系統、ラーガやターラといった特徴的な要素、そして魅力的な楽器たちまで、幅広くご紹介します。

インド音楽に興味のある方はもちろん、音楽理論を深めたい方にも役立つ情報が満載です。

インド音階の歴史:古代から現代まで

古代インドの音楽:ヴェーダの時代

インド音楽の歴史は非常に古く、紀元前1500年頃とされるヴェーダの時代まで遡ります。

ヴェーダは、インドの宗教や哲学の根源となる聖典であり、その中に歌われる賛美歌や呪文は、インド音楽の起源と言えるでしょう。

これらの歌は、宗教的な儀式や祭祀で歌われ、神々への捧げ物として捧げられました。

この時代の音楽は、自然の音や人間の感情を模倣したもので、シンプルな旋律とリズムが特徴でした。

古典音楽の誕生と発展

紀元前後の時代になると、インド音楽はより洗練され、古典音楽の基礎が築かれました。

この時代には、ラーガと呼ばれる旋律の型や、ターラと呼ばれるリズムの型が確立され始めました。

  • ラーガ:

    ラーガは、インド音楽の最も重要な要素の一つです。

    特定の音高の組み合わせと、特徴的な上昇・下降の動きによって構成され、季節や時間、感情など、様々なものに結び付けられていました。

  • ターラ:

    ターラは、リズムの型のことです。

    ラーガに合わせて、様々なターラが用いられます。

北インドと南インドの分岐

中世以降、インド音楽は北インドと南インドに分かれて発展しました。

  • 北インド音楽(ヒンドゥスターニー音楽):

    ムガル帝国の影響を強く受け、ペルシャやアラビアの音楽要素と融合することで、華やかで即興的な音楽へと発展しました。

    シタールやサローディといった楽器が代表的です。

  • 南インド音楽(カルナータカ音楽):

    寺院音楽として発展し、宗教的な要素が強く、厳格な構造を持つ音楽です。

    ヴィーナやフルートといった楽器が代表的です。

近代以降

近代になると、西洋音楽の影響を受けつつ、インド音楽は独自の道を歩み始めます。

ラヴィ・シャンカールなどの音楽家によって、インド音楽は世界的に知られるようになり、多くの西洋のミュージシャンに影響を与えました。

現代のインド音楽

現代のインド音楽は、伝統的な要素と現代的な要素が融合し、多様な音楽を生み出しています。

ボリウッド映画音楽や、フュージョン音楽など、様々なジャンルが生まれ、世界中で人気を集めています。

インド音階の特徴

インド音楽は、その独特な音階体系と演奏方法によって、世界中の音楽愛好家を魅了しています。

西洋音楽とは異なる魅力を持つインド音楽の特徴を、いくつかご紹介します。

即興演奏の重要性

インド音楽では、即興演奏が非常に重要視されます。

演奏者は、ラーガとターラの枠組みの中で、自由に旋律を創造し、聴衆を魅了します。

この即興演奏によって、毎回全く異なる演奏が生まれるのがインド音楽の魅力の一つです。

ドローン(持続音)の役割

インド音楽では、ドローンと呼ばれる持続音が重要な役割を果たします。

ドローンは、演奏の基調となる音で、旋律の背景を支えます。

ドローンによって、インド音楽特有の深みのある響きが生まれます。

装飾音(ガマカ)

インド音楽では、ガマカと呼ばれる装飾音が多用されます。

ガマカは、音の高さを滑らかに変化させたり、振動させたりする奏法で、旋律に豊かな表情を与えます。

楽器の多様性

インドには、シタール、サローディ、ヴィーナ、タブラなど、様々な種類の楽器が存在します。

これらの楽器は、それぞれ独自の響きを持ち、インド音楽に多様な色彩を与えています。

和声の概念がない

西洋音楽では、複数の音が同時に鳴り、和音を形成することが一般的ですが、インド音楽では、基本的に一つの旋律が中心となります。

和声の概念がないため、西洋音楽とは異なる独特の響きが生まれます。

宗教との深い結びつき

インド音楽は、ヒンドゥー教、イスラム教など、インドの宗教と深く結びついています。

宗教的な儀式や祭祀で歌われる音楽は、インド音楽の重要な一部を占めています。

インド楽器

インド音楽には、シタール、サローディ、ヴィーナ、タブラなど、特徴的な楽器がたくさんあります。

シタールは、長いネックと豊かな響きが特徴の弦楽器で、北インド音楽を代表する楽器です。

サローディは、シタールと似た楽器ですが、より繊細な音色が特徴です。

ヴィーナは、インドの伝統的な弦楽器で、神聖な楽器として扱われています。

タブラは、ペアで演奏される打楽器で、複雑なリズムパターンを奏でます。

インド音楽の魅力

インド音楽の魅力は、その多様性と深みにあります。

ラーガの持つ繊細なニュアンス、複雑なリズムパターン、そして即興演奏による自由な表現は、聴く人の心を深く揺さぶります。

また、インド音楽は、単なる娯楽だけでなく、宗教的な儀式や瞑想の場でも重要な役割を果たしてきました。

まとめ

インド音階は、長い歴史と伝統を持つ、世界でも類を見ない音楽体系です。

ラーガやターラといった独自の概念、そして多様な楽器によって生み出される美しい旋律は、現代においても多くの人の心を魅了し続けています。

この記事を通じて、インド音楽の奥深さを少しでも感じていただければ幸いです。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。
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