【アルゼンチン音楽の歴史】タンゴ・ロックの特徴や魅力を元音大生が解説。

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はじめに

アルゼンチン音楽といえば、情熱的なダンスと哀愁を帯びたメロディーが特徴的なタンゴがまず思い浮かぶでしょう。

しかし、アルゼンチン音楽はタンゴだけではありません。

豊かな歴史と多様な文化が融合し、フォルクローレ、ロックなど、様々な音楽ジャンルを生み出してきました。

本記事では、アルゼンチン音楽の歴史と特徴を、より深く掘り下げ、具体的な例を交えながら詳しく解説します。

アルゼンチン音楽のルーツ

多様な文化の融合

アルゼンチン音楽は、ヨーロッパ、アフリカ、先住民の文化が複雑に絡み合って誕生しました。

ヨーロッパ音楽の影響

スペインやイタリアなど、ヨーロッパからの移民が持ち込んだ音楽は、アルゼンチン音楽の基礎を築きました。

特に、ワルツやポルカなどのヨーロッパのダンス音楽は、タンゴの原型となりました。

ミロンガと呼ばれるダンスは、スペインの舞踏の影響を受け、タンゴの基礎となったと言われています。

アフリカ音楽の影響

アフリカから連れてこられた奴隷たちが持ち込んだリズムや歌は、アルゼンチン音楽に熱狂的な要素をもたらしました。

ミロンガやカンドンベなど、アフリカのリズムが強く感じられる音楽ジャンルも存在します。

カンドンベは、ウルグアイとの国境付近で発展したアフリカ系アルゼンチンの音楽で、パーカッション中心の強烈なリズムが特徴です。

先住民音楽の影響

アルゼンチンには、インカ帝国などの古代文明が存在していました。

先住民の音楽は、自然や神々に対する崇拝を表す特徴的な旋律やリズムを持っていました。

この要素は、アルゼンチン音楽に神秘的な雰囲気を与えています。

チャマメは、アルゼンチン北東部で発展したフォルクローレで、先住民の音楽の影響を強く受けたと言われています。

アルゼンチン音楽の主要なジャンル

アルゼンチン音楽は、多様なジャンルが存在しますが、代表的なものをいくつか紹介します。

タンゴ

タンゴは、アルゼンチンを代表する音楽であり、情熱的なダンスと哀愁を帯びたメロディーが特徴です。

バンドネオン、バイオリン、ピアノなどが奏でる独特のサウンドが魅力です。

アストル・ピアソラは、タンゴを現代音楽に昇華させた作曲家として知られています。

フォルクローレ

フォルクローレは、アルゼンチンの地方に根付いた伝統音楽です。

地域によって様々なスタイルがあり、ギター、チャランゴ、ボンボなどの楽器が使用されます。

チャカレラは、アルゼンチン北西部で人気のフォルクローレで、活気あふれるリズムが特徴です。

ロック

アルゼンチンには、独自のロックシーンが存在し、世界的に活躍するバンドもいます。

ソダ・ステレオは、アルゼンチンのロックを代表するバンドの一つで、ラテンアメリカ全体で大きな影響を与えました。

アルゼンチン音楽の歴史的発展

アルゼンチン音楽は、時代とともに変化を遂げてきました。

19世紀:タンゴの誕生と発展

19世紀後半、ブエノスアイレスの貧民街でタンゴが生まれました。

当初は下層階級の音楽でしたが、次第に社会全体に広がっていきました。

20世紀前半:タンゴの黄金時代

20世紀前半には、タンゴは世界的な人気を博し、黄金時代を迎えます。

アストル・ピアソラなど、多くの作曲家が傑作を生み出しました。

20世紀後半:フォルクローレの復興

1960年代以降、フォルクローレが見直され、若者を中心に人気を集めました。

フォルクローレは、アルゼンチンのアイデンティティを再発見する動きの中で注目されました。

現代:多様な音楽の融合

現代のアルゼンチン音楽は、様々なジャンルの音楽が融合し、常に新しい音楽を生み出しています。

タンゴとロックを融合させたニュータンゴや、エレクトロニック音楽を取り入れたフォルクローレなど、多様な音楽が共存しています。

アルゼンチン音楽の特徴

アルゼンチン音楽は、以下の特徴を持っています。

情熱

タンゴに代表されるように、情熱的な音楽が多いです。

哀愁

失恋や郷愁を歌った曲が多く、メランコリックな雰囲気が特徴です。

リズム

アフリカ音楽の影響を受け、リズム感が非常に強いです。

ハーモニー

ヨーロッパ音楽の影響を受け、複雑なハーモニーを持つ曲も多いです。

即興性

ミロンガのように、即興的な演奏が重視される音楽ジャンルもあります。

アルゼンチン音楽の社会文化的な役割

アルゼンチン音楽は、アルゼンチンの社会文化に深く根付いています。

国民のアイデンティティ

アルゼンチン人にとって、音楽は国民のアイデンティティを形成する重要な要素です。

社会運動

音楽は、社会運動や政治的なメッセージを伝える手段としても利用されてきました。

観光資源

アルゼンチン音楽は、観光客を惹きつける重要な観光資源となっています。

まとめ

アルゼンチン音楽は、ヨーロッパ、アフリカ、先住民の文化が融合し、独自の進化を遂げてきた、世界でも類を見ない豊かな音楽です。

タンゴ、フォルクローレ、ロックなど、数多くの魅力的なジャンルを生み出し、世界中の音楽ファンを魅了してきました。

アルゼンチン音楽は、これからもその多様性を保ちながら、発展を続けていくでしょう。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。
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