【ブラジル音楽の歴史】サンバ・ボサノバなど魅力を元音大生が解説。

曲・ジャンル解説
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はじめに

ブラジル音楽は、アフリカ、ヨーロッパ先住民の文化が融合し、独自の進化を遂げてきた、世界でも類を見ない豊かな音楽です。

サンバ、ボサノヴァ、ショーロなど、数多くの魅力的なジャンルを生み出し、世界中の音楽ファンを魅了してきました。

本記事では、ブラジル音楽の歴史と特徴を、より深く掘り下げ、具体的な例を交えながら詳しく解説します。

ブラジル音楽のルーツ:多様な文化の融合

ブラジル音楽は、ポルトガルによる植民地化、アフリカからの奴隷貿易、そして先住民の文化が複雑に絡み合って誕生しました。

アフリカ音楽の影響

アフリカから連れてこられた奴隷たちは、自分たちの故郷の音楽をブラジルに持ち込みました。

リズム感あふれる打楽器、コール&レスポンス、ポリリズムといったアフリカ音楽の特徴は、ブラジル音楽の根底を支える重要な要素となりました。

例えば、サンバのリズムは、アフリカの打楽器アンサンブルであるバトゥカーダにその源流を見ることができます。

ポルトガルの音楽の影響

ポルトガルから伝わったポルトガル音楽は、ブラジル音楽にメロディーやハーモニーの基礎をもたらしました。

フォルクローレや宗教音楽などが、ブラジル音楽の多様性を豊かにしました。

例えば、モデイニャは、ポルトガルのフォルクローレの影響を受けたブラジル北東部の音楽です。

先住民の音楽の影響

ブラジル原住民の音楽は、自然との共生や精神世界を表す独特の旋律やリズムを持っていました。

この要素は、ブラジル音楽に神秘的な雰囲気を与えています。

例えば、イガラペーは、アマゾンの熱帯雨林に住む先住民の音楽で、自然の音を模倣した独特の旋律が特徴です。

ブラジル音楽の主要なジャンル

ブラジル音楽は、多様なジャンルが存在しますが、代表的なものをいくつか紹介します。

サンバ

サンバは、ブラジルを代表する音楽であり、カーニバルで最もよく知られています。

アフリカのリズムポルトガルのメロディーが融合し、情熱的で躍動感あふれる音楽として発展しました。

リオデジャネイロのサンバは、スイングの効いたリズムが特徴で、世界中で愛されています。

ボサノヴァ

ボサノヴァは、1950年代にリオデジャネイロで生まれた、洗練された都会的な音楽です。

ジャズの影響を受け、柔らかくメロウな雰囲気が特徴です。

ジョアン・ジルベルトやアストラッド・ジルベルトなどのアーティストが、ボサノヴァを世界に広めました。

ショーロ

ショーロは、19世紀にリオデジャネイロで生まれた、ブラジルを代表する室内音楽です。

ギター、フルート、マンドリンなどの楽器が奏でる繊細な旋律が特徴です。

ショーロは、ブラジルの都市生活を反映した音楽として発展しました。

その他

この他にも、バイーアの音楽(アフロ)、フォルロー(北東部のカントリー音楽)、ランゲレ(パンデイロを使った音楽)など、地域や民族によって様々な音楽が存在します。

ブラジル音楽の歴史的発展

ブラジル音楽は、時代とともに変化を遂げてきました。

19世紀:ショーロの誕生と発展

19世紀には、ショーロが都市で流行し、ブラジル音楽の基礎が築かれました。

20世紀前半:サンバの時代

20世紀前半には、サンバがブラジル国民の音楽となり、カーニバルを中心に発展しました。

20世紀後半:ボサノヴァの国際的な人気

1950年代には、ボサノヴァが誕生し、世界的に人気を博しました。

ボサノヴァは、ブラジル音楽を世界に知らしめるきっかけとなりました。

現代:多様な音楽の融合

現代のブラジル音楽は、様々なジャンルの音楽が融合し、常に新しい音楽を生み出しています。

例えば、サンバ・レゲエ、MPB(ブラジル大衆音楽)など、多様な音楽が共存しています。

ブラジル音楽の特徴

ブラジル音楽は、以下の特徴を持っています。

  • リズム感: アフリカ音楽の影響を受け、リズム感が非常に強い。


    シンコペーションやポリリズムといった複雑なリズムが特徴です。

  • メロディー: ポルトガル音楽の影響を受け、美しいメロディーが特徴です。


    哀愁を帯びたメロディーや、明るいメロディーなど、多様な表情を見せます。

  • 多様性: 地域や民族によって、様々な音楽が存在します。


    ブラジルは広大な国土を持ち、それぞれの地域で独自の音楽文化が発展してきました。

  • 情熱: ブラジル人の情熱的な性格が音楽に表れています。


    サンバのカーニバルのように、音楽は人々を熱狂させ、一体感を生み出します。

  • 即興性: ブラジル音楽は、即興性が重視されることが多く、演奏者がその場で自由に音楽を作り出すことを楽しむ文化があります。

ブラジル音楽の社会文化的な役割

ブラジル音楽は、ブラジルの社会文化に深く根付いています。

  • 国民のアイデンティティ: ブラジル人にとって、音楽は国民のアイデンティティを形成する重要な要素です。

  • 社会運動: 音楽は、社会運動や政治的なメッセージを伝える手段としても利用されてきました。

  • 観光資源: ブラジル音楽は、観光客を惹きつける重要な観光資源となっています。

まとめ

ブラジル音楽は、アフリカ、ヨーロッパ、先住民の文化が融合し、独自の進化を遂げてきた、世界でも類を見ない豊かな音楽です。

サンバ、ボサノヴァ、ショーロなど、数多くの魅力的なジャンルを生み出し、世界中の音楽ファンを魅了してきました。

ブラジル音楽は、これからもその多様性を保ちながら、発展を続けていくでしょう。

この記事を書いた人
@RAIN

音高・音大卒業後、新卒で芸能マネージャーになり、25歳からはフリーランスで芸能・音楽の裏方をしています。音楽業界で経験したことなどをこっそり書いています。
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