【ラフマニノフ名曲】おすすめ代表曲と隠れた名曲を解説。

おすすめクラシック
記事内に広告が含まれています。

はじめに

セルゲイ・ラフマニノフは、クラシック音楽界で多数の名曲を残したロシアの作曲家で、その音楽は時を超えて今なお世界中で愛され続けています。

ここでは元音大生の筆者が、前半は代表曲、後半は個人的な好みが入りまくりの名曲を、クラシック音楽初心者の方でも楽しめる楽曲に絞って紹介します。
ぜひ一度聴いてみてください!

言わずもがな…な名曲は、参考リンクを割愛させていただきます。(リンクだらけになってしまうので…)

↓↓ ほかの作曲家の曲紹介はこちらから! ↓↓

生い立ち

セルゲイ・ラフマニノフは、1873年にロシアのノヴゴロド近郊で生まれました。幼い頃から音楽の才能を発揮し、モスクワ音楽院で本格的な音楽教育を受けました。彼は、作曲家としてだけでなく、ピアニストとしても、また指揮者としても、その才能を高く評価されました。しかし、彼の人生は、ロシア革命という悲劇的な出来事によって、大きく揺さぶられることになります。

才能の開花と挫折(~1901年頃)

モスクワ音楽院を首席で卒業したラフマニノフは、若くして作曲家としてのキャリアをスタートさせました。しかし、1897年に初演された交響曲第1番は、厳しい酷評を受け、彼は深刻なスランプに陥ります。この挫折が、彼に深い心の傷を残し、数年間、作曲活動ができない時期が続きました。

この期間、彼は精神科医の治療を受け、その治療が功を奏し、彼は再び創作意欲を取り戻します。

この頃の代表作

交響曲第1番
幻想的小品集 作品3
チェロ・ソナタ ト短調

ピアニストとしての成功と亡命(1902年~1917年)

スランプを乗り越えたラフマニノフは、作曲家として、そしてピアニストとして、再び成功を収めます。特に、1901年に発表されたピアノ協奏曲第2番は、彼の代表作となり、彼を国際的な名声へと導きました。彼は、指揮者としても活躍し、ボリショイ劇場で多くのオペラを指揮しました。

しかし、1917年のロシア革命により、彼の人生は一変します。彼は家族とともに祖国を離れることを決意し、アメリカへと亡命しました。

この頃の代表作

ピアノ協奏曲第2番
前奏曲集 作品23
ヴォカリーズ

亡命後の苦悩と再起(1918年~1943年)

亡命後のラフマニノフは、ピアニストとしての活動が中心となり、作曲活動は大幅に減少しました。彼は、祖国を失った悲しみと、新しい環境への適応に苦しみました。

しかし、彼はその苦悩を乗り越え、ピアニストとして世界的な名声を確立しました。晩年には、再び作曲活動に取り組み、彼の音楽は、より深く、内省的な性格を持つようになりました。

この頃の代表作

パガニーニの主題による狂詩曲
交響曲第3番
交響的舞曲

ここから、名曲をご紹介します。

ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18

この曲は、ラフマニノフが交響曲第1番の失敗によるスランプを乗り越え、1901年に発表した傑作です。彼は、この曲を、彼を治療し、再び創作意欲を取り戻させてくれた精神科医ニコライ・ダールに献呈しました。この協奏曲は、ラフマニノフの代名詞とも言える作品であり、壮大でロマンティックな旋律と、ピアノの超絶技巧が融合しています。

おすすめポイント

この曲の最大の魅力は、ロマンティックで美しい旋律が、ピアノとオーケストラによって壮大に歌い上げられる点です。特に、冒頭のピアノによる重々しい和音の連打と、その後に続くオーケストラが奏でる、憂愁を帯びた旋律は、聴く者の心を強く惹きつけます。

また、第二楽章の、切なく、そして甘い旋律は、ラフマニノフが持つ抒情的な感性を存分に感じさせてくれます。この協奏曲は、ロシアの広大な大地を思わせる深い響きと、情感豊かな表現によって、多くの人々に愛され続けています。

前奏曲集 作品3-2 嬰ハ短調

この曲は、ラフマニノフが19歳の時に作曲した「幻想的小品集」の一部です。この前奏曲は、わずか数分の短い曲でありながら、ロマンティックで重厚な雰囲気と、ピアノの深い響きが凝縮されており、当時から大変な人気を博しました。しかし、彼は、この曲ばかりが有名になることに辟易していたと言われています。

おすすめポイント

この曲の魅力は、短い中に込められた、壮大でドラマティックな世界観です。冒頭のピアノによる重々しい和音の連打は、まるで鐘の音を思わせ、聴く者を一瞬で神秘的な世界へと引き込みます。

そして、中盤の情熱的な高まりは、ロシアの広大な風景を思わせるような、壮大なスケールを持っています。この曲は、ラフマニノフが持つ、短い中に深い感情を込める才能を証明する傑作です。

パガニーニの主題による狂詩曲 作品43

この曲は、ヴァイオリニストのニコロ・パガニーニが作曲した「24のカプリス」の主題を基に、ラフマニノフが作曲したピアノとオーケストラのための作品です。全24の変奏からなり、パガニーニの主題が、様々な形で変奏されていきます。特に、第18変奏は、ロマンティックで美しい旋律で知られ、単独で演奏されることも多いです。

おすすめポイント

この曲の最大の魅力は、パガニーニの主題が、ラフマニノフのロマンティックな感性によって、驚くほど美しく変身していく点です。技巧的で、ユーモラスな変奏が続く中で、第18変奏は、突如として、甘く、切ない旋律が奏でられます。

この旋律は、ラフマニノフの音楽が持つ、深い憂愁と、ロマンティックな情熱が凝縮されており、聴く者の心を強く惹きつけます。この狂詩曲は、ラフマニノフの作曲家としての才能と、彼が持つピアノへの深い愛を証明する傑作です。

交響曲第2番 ホ短調 作品27

ラフマニノフが交響曲第1番の失敗を乗り越え、自信を持って発表した傑作です。この交響曲は、壮大で美しい旋律、そしてロシアの深い憂愁が融合しており、彼の交響曲の中でも最も有名で、演奏機会の多い作品となっています。全4楽章で構成され、全体を貫く統一的な主題が、それぞれの楽章で様々な表情を見せていきます。

おすすめポイント

この曲の最大の魅力は、ラフマニノフのロマンティックな旋律が、オーケストラによって壮大に歌い上げられる点です。特に、第二楽章の軽快で、躍動感のある音楽は、聴く者を一瞬で魅了します。

また、第三楽章の、切なく、そして美しい旋律は、聴く者の心に深く染み渡ります。この交響曲は、ラフマニノフが持つ、旋律の美しさと、オーケストラの響きを巧みに操る才能が存分に発揮された、ロマン派の交響曲の傑作です。

ヴォカリーズ 作品34-14

「ヴォカリーズ」は、ラフマニノフが作曲した14の歌曲集の一部で、歌詞がなく、母音だけで歌われる作品です。この曲は、ソプラノ歌手アントニーナ・ネジダーノヴァのために書かれ、彼女の美しい声の響きを最大限に引き出すように作曲されています。原曲はソプラノとピアノのための作品ですが、様々な楽器に編曲され、広く演奏されています。

おすすめポイント

この曲の魅力は、言葉を持たないからこそ、より深く心に響く、美しい旋律です。ラフマニノフの音楽が持つ、深い憂愁と、ロマンティックな情熱が、言葉を超えて、聴く者の心に直接語りかけてきます。

この曲を聴くと、ラフマニノフが持つ、旋律の美しさと、人間の感情を音によって表現する才能を強く感じることができます。この曲は、疲れた心を癒し、静かな感動を与えてくれる、ラフマニノフの代表作の一つです。


ここから、好み入りまくりのおすすめ曲をご紹介します。

前奏曲集 作品23 より 第4番 ニ長調

ラフマニノフが1903年に作曲した全10曲からなる前奏曲集の一つです。この曲集は、ピアノ協奏曲第2番の成功を受けて書かれたもので、彼のロマンティックな旋律の才能と、憂愁に満ちた内面が凝縮されています。中でも第4番は、静謐で、どこか懐かしい雰囲気を持つ作品で、ラフマニノフの音楽が持つ、深い叙情性を感じさせてくれます。

おすすめポイント

この曲の魅力は、静かで穏やかな流れの中に、秘められた深い感情です。冒頭から、優しく、そして切なく歌い上げる旋律は、聴く者の心を静かに揺さぶります。左手のアルペジオは、まるで遠くで聞こえる鐘の音や、水面のきらめきを思わせ、曲全体に幻想的な雰囲気を醸し出しています。

この曲は、華やかな技巧やドラマティックな展開ではなく、繊細な感情の機微を表現しており、ラフマニノフの音楽が持つ、静かで内省的な側面を味わうことができる傑作です。

まとめ

ラフマニノフの音楽は、世代を超えて多くの人々に愛されています。一度は聴いたことがあるメロディーも出てくると思いますが、ぜひ最初から最後まで通して聴いてみてください。

↓ おすすめクラシックをセレクトしました。 ↓

タイトルとURLをコピーしました